不倫相手に慰謝料請求するとき、できれば高額な支払いをさせたいものです。
不倫慰謝料の金額には相場がありますが、ケースごとの諸事情によって高額になる場合もあれば低額になる場合もあります。
今回は不倫で請求できる慰謝料が高額になる条件について、名古屋の弁護士が説明します。
このページの目次
1．夫婦の婚姻関係が破綻したケースでは慰謝料が高額になる
不倫慰謝料の慰謝料は、夫婦関係が破綻したかどうかで大きく金額が異なってきます。夫婦関係が破綻して離婚すると慰謝料は高額になり、相場としては100～300万円程度になります。破綻しなければ慰謝料は100万円以下の低額になります。
2．夫婦の婚姻年数が長いと慰謝料が高額になる
他の条件が同じであれば、夫婦の婚姻年数が長いと慰謝料は高額になります。たとえば夫婦関係が破綻したケースで婚姻年数が1～3年程度であれば慰謝料は100～150万円程度にしかなりませんが、婚姻年数が10年を超えると慰謝料は300万円程度にまで上がります。
3．その他慰謝料が高額になる事情
婚姻関係の破綻、婚姻年数以外の条件としては、以下のようなケースで不倫慰謝料が高額になります。
- 不倫の期間が長い
不倫の期間は長いほど慰謝料が増額されます。
- 不倫が頻繁、回数が多い
頻繁に会っていたケースや不貞行為をした回数が多いケースでは慰謝料が増額されます。
- 不倫の態様が悪質
不倫相手が、あえて「家庭を破壊してやろう」として嫌がらせをした場合や、深夜に家を空けて家庭生活を放棄した場合、家出した場合など不倫の態様が悪質であれば、慰謝料は増額されます。
- 不倫相手が妊娠・中絶・出産した
不倫相手が妊娠したら被害者の受ける精神的苦痛が大きくなるので、慰謝料は増額されます。流産、中絶、出産のいずれの結果となっても高額な慰謝料が認められます。
不倫したのが「妻」の場合、妻が不倫相手の子どもを妊娠したら夫に認められる慰謝料が高額になります。
- 不倫された側が失業した
不倫が発覚すると、被害者が体調を崩して仕事を続けられなくなる場合があります。また夫婦と不倫相手と同じ職場の場合など、いづらくなって辞めざるを得ないケースもあるでしょう。不倫をきっかけに不倫された側が失業すると慰謝料は高額になります。
- 不倫された側に経済力がない
不倫されたのが専業主婦などで経済力がない場合、離婚後の生活に不安が発生します。精神的苦痛が大きくなると考えられ、慰謝料が増額されます。
- 不倫された側が病気になった
配偶者が不倫すると気分が落ち込んでうつ病などの精神病になってしまう方がいます。その場合にも精神的苦痛が大きいと考えられるので慰謝料が上がります。
- 不倫相手の収入が高い、資産が多い
不倫相手の収入が高い、資産が多い場合、通常程度の慰謝料ではペナルティにならないことなどから慰謝料が高額になる傾向があります。
- 不倫相手の社会的地位が高い
不倫相手の社会的地位が高い場合「不貞行為に及ばないだけの分別」が求められるので慰謝料は増額されます。
- 不倫相手の年齢が高い
不倫相手の年齢が高い場合にも「不貞行為をしない分別」が要求されるので慰謝料が高額になりやすいです。
- 夫婦に未成年の子がある
不倫によって破綻した夫婦の間に未成年の子どもがいたら、子どもに与える影響も大きくなるので慰謝料が増額されやすいです。
- 未成年の子の人数が多い
未成年の子どもの人数が多いとその分不倫によって影響を受ける人が増えるので慰謝料は高額になります。
- 暴力や生活費不払いなど別の有責性がある
不倫した人が被害者に暴力を振るったりモラハラ行為を行っていたり生活費を払わなくなったりした場合には慰謝料は高額になります。
- 不倫相手と同棲した
不倫すると、自宅を出て行って不倫相手と同棲する人がいます。そのようなことをされると不倫された側の精神的苦痛が大きくなるので慰謝料は高額になります。
- 不倫が開始したときの家庭関係が円満であった
不倫が始まったときに夫婦関係、家族関係が円満であった場合、不倫によって破綻させられた影響が大きくなるので慰謝料が高額になります。
4．できるだけ高額な慰謝料を請求する方法
可能な限り高額な慰謝料を請求するためには以下のような対応がポイントとなります。
4-1．証拠を集める
まずはしっかり不倫の証拠を集めましょう。肉体関係を証明する証拠はもちろんのこと「慰謝料が高額になる要素」についての資料集めも必要です。
たとえば「相手方らが頻繁に会っていた証拠」「深夜に家を空けられた証拠」「うつ病になった証拠」「不倫が始まった当時に家族で仲良く写っている写真」「不倫相手が妊娠した証拠」などです。
こういったものがあれば、相手にも高額な金額を請求できますし裁判になっても高額な慰謝料を認定してもらいやすくなります。
4-2．慰謝料が高額になる理由を理解し説得する
慰謝料請求で相手に高額な慰謝料を払わせるには、相手を納得させなければなりません。なぜその高額になるのか、理由をつけて説得しましょう。
たとえば「頻繁に会っていたから」「家出されたから」「未成年の子どもがいるから」「こちらに生活力がなく離婚後に不安があるから」などの諸事情を説明し、そういった事情があると浮気の慰謝料が高額になることを伝えます。
相手を納得させられたら高額な支払に応じさせることが可能です。
4-3．弁護士に依頼する
自分で不倫相手に高額な慰謝料を求めても相手が応じないケースでは、弁護士に交渉を依頼しましょう。本人が説得しても納得しない場合でも、弁護士が法律的な観点から慰謝料の金額算定方法について説明すれば納得して支払いに応じるケースが少なくありません。
当事務所では不倫や男女トラブルの解決に積極的に取り組んでおり、これまで相場より高額な慰謝料を獲得できた事例も多数あります。名古屋で不倫トラブルにお悩みの方は、ぜひとも一度ご相談下さい。
