不倫が発覚して相手の配偶者から慰謝料請求されたら、なるべく自分の配偶者や親に知られないうちに穏便に解決したいものです。
しかし実際には慰謝料の交渉などをしているといろいろな連絡が入るため、いつなんどき配偶者や家族に知られてしまうか分かりません。相手が配偶者や親へ直接連絡を入れてくるケースもあり、注意が必要です。
今回は、不倫慰謝料を請求されているときに家族や配偶者に秘密にしたまま解決する方法を、名古屋の弁護士が解説します。
このページの目次
1.慰謝料請求をきっかけに不倫が配偶者や家族にバレるパターン
不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受けると、家族に不倫トラブルを知られる可能性が高くなります。以下でその理由やよくあるパターンをご紹介します。
1-1.不倫相手からの通知書を家族に見られる
不倫相手から慰謝料請求を受けるとき、内容証明郵便で通知書が送られてくるケースが多数あります。家族が内容証明郵便を受け取ってしまったら何事かと心配され、不倫トラブルが発覚してしまうでしょう。普通郵便で請求書が届いたケースでも、家族に手紙を見られて知られてしまう可能性があります。また相手の配偶者と電話やメールなどで連絡を取り合っているときに、何をしているのかと思われて怪しまれるケースもよくあります。
相手に対する返答のために文書を作成したり郵便局に行ったりして「普段と違う行動」をとることで不審がられるケースも少なくありません。
1-2.相手の配偶者が実家の親に連絡を入れる
未婚の方が不倫すると、相手の配偶者がご実家のご両親に連絡をしてくるケースがよくあります。たとえばこちらが「請求された慰謝料の金額が高額すぎて払えない」と主張すると、いきなり親に手紙を送りつけ「おたくのお嬢さんがうちの主人と不倫して困っているので、代わりに慰謝料〇〇万円を払ってほしい」などと告げる人もいます。
このようなことをされると親も仰天しますし不倫を知られてしまい勘当されるケースもあります。実際親には支払い義務は無いので、巻き込むのは不当ですが、相手は感情的になっているのでこういった行動にも出てしまいます。
1-3.相手の配偶者が夫や妻に連絡する
ご結婚されている場合、さらに要注意です。不倫相手の配偶者が、あなたの配偶者に直接連絡してくるケースがあるからです。探偵などを使って家やあなた自身、あなたの配偶者の勤務先を調べ、手紙を送ってきたりときには訪ねてきたりするケースもあります。
また不倫相手の配偶者があなたの配偶者に「あなたの妻(夫)は私の夫(妻)と不倫していて許せないから、協力して高額な慰謝料を払わせましょう」などと誘ってくるケースもあります。
1-4.相手の配偶者が職場に連絡する
不倫された方は、ときどき不倫相手の職場に連絡を入れることがあります。もしもあなたと夫(妻)が同じ職場なら、相手の連絡をきっかけに配偶者に不倫を知られてしまう可能性が高くなります。また相手の配偶者があなたの配偶者の職場を調べてわざわざ連絡を入れてくるケースもあります。
このように慰謝料トラブルを放置しておくと、いずれはご家族に知られてしまう可能性が高くなります。配偶者に知られると離婚トラブルにもつながりやすいので、できるだけ知られる前に解決してしまうのが得策です。
2.不倫トラブルを家族に知られずに解決する方法
不倫慰謝料を請求されたとき、家族に秘密にしたまま解決するにはどうしたら良いのでしょうか?もっとも良いのは弁護士に慰謝料の交渉を委任することです。
弁護士に代理を依頼すると家族に秘密にしやすくなるのは、以下のような理由です。
2-1.弁護士を介した交渉となり、家や職場に連絡が来なくなる
弁護士に交渉の代理を依頼すると、相手とのすべてのやり取りは弁護士を通じて行うことになります。相手からの内容証明郵便や通知書はすべて弁護士事務所に届きますし、電話やメールも弁護士にしか届きません。
家族と同居している場合にも、家族に手紙や請求書を見られて不倫を知られる心配がなくなります。相手から頻繁に連絡が来て困っているなら、一刻も早く弁護士に依頼すべきです。
2-2.弁護士が相手に違法行為をしないようクギを刺す
相手が実家の両親に請求したりあなたの配偶者に連絡したり職場に連絡したりしそうな場合、弁護士がいれば相手にそういった不当な行為をしないよう警告することが可能です。
たとえば職場に連絡して「不倫している」と噂を広めると、名誉毀損になる可能性が高くなります。両親に不倫の事実を告げるのはプライバシー権の侵害につながります。また両親には支払い義務がありませんから、慰謝料を代わりに支払ってほしいなどと請求すること自体が不当です。
夫や妻なども不倫問題と直接関係ありませんから、連絡する必要はありません。弁護士がついているのだから「今後はすべての連絡事項について弁護士を通じて行うように」と強めに通知しておけば、通常は家族に連絡してこなくなるものです。
2-3.相手にも弁護士がつき、弁護士同士のやり取りになる
不倫問題で請求を受けた側に弁護士がつくと、相手の配偶者も弁護士をつけるケースが多数です。一般に「相手に弁護士がつくと不利になるのではないか?」と心配される方が多いのですが、現実はそうでもありません。法律のルールを理解している弁護士同士の方が、スムーズに解決できる可能性が高くなります。また弁護士は無関係な実家の両親や配偶者に連絡したり嫌がらせをしたりしません。相手に弁護士が就いたら、家族に不倫の事実を告げられて知られる心配はほとんどなくなるでしょう。
ご家族に不倫トラブルを知られてしまうと、親から勘当されたり兄弟仲にヒビが入ったり、配偶者との離婚問題が発生してしまったりして不利益が大きくなります。そうなる前に、なるべくお早めに弁護士までご相談下さい。